コーギーはその愛らしい外見と快活な性格で、世界中の犬好きの心を掴んで離しません。特にその独特な尻尾は、コーギーの魅力の一つとして広く認識されています。
本記事では、コーギーの尻尾に関する興味深い背景を探り、尻尾ありコーギーを迎える際のポイントなど解説していきます。コーギーとの生活をより豊かにするための知識として、この情報が役立つことを願っています。
コーギーとは?魅力とその歴史
コーギーの原産国はイギリスで、かつては牧畜犬としての役割を担っていました。彼らの主な任務は、羊や牛などの家畜を誘導し、管理することでした。このような背景から、コーギーは非常に賢く、訓練を受けやすい犬種として知られています。
コーギーには「ウェルシュ・コーギー・ペンブローク」と「ウェルシュ・コーギー・カーディガン」という2つの種類が存在します。これらの種類は外見上の違いがあり、特に尻尾の長さが異なります。ペンブローク種は通常、「ごく短いしっぽ」か「しっぽなし」とされていますが、これは人工的に断尾された結果です。一方、カーディガン種は自然に長い尻尾を持っています。
ペンブローク種の中には、「ナチュラルボブ」と呼ばれる自然に短い尻尾を持つ個体も存在します。これは遺伝的な特徴であり、すべてのペンブロークが人工的に尻尾を切られるわけではありません。しかし、多くの場合、尻尾は小さい頃に切断されることが一般的です。
コーギーの尻尾を切る習慣の背景
コーギーの尻尾を切る習慣は、その歴史的な背景と機能的な必要性から生まれました。
牧畜犬としての安全確保のため
牧畜犬としての役割を果たす上で、尻尾が長いと様々なリスクが伴うため、安全確保の観点から尻尾を切ることが一般的でした。
尻尾が長いと、走る際に邪魔になることや、家畜に踏まれたり噛まれたりする危険性が高まります。特に、牛の群れの中で尻尾を踏まれて動けなくなると、小さなコーギーにとっては大きな危険が伴います。
税金対策
コーギーの断尾には、税金対策としての側面もありました。かつてイギリスでは、しっぽのある犬に課税する法律が存在し、牧畜犬として必要なコーギーを断尾する習慣が始まったとされています。
この時期、他の多くの犬種も同様に尻尾を切られました。
衛生的理由
さらに、衛生的な理由や迷信も断尾の背景にあります。牧畜犬としての仕事柄、尻尾に糞や尿が付着しやすく、感染症や皮膚病のリスクを減らすために断尾されることがありました。
また、狂犬病の予防や瞬発力の向上などの迷信に基づく理由で尻尾を切る習慣も存在しました。
コーギーの尻尾を切る方法と時期
コーギーの尻尾を切るプロセスは、その方法と時期において特定の慣習に従っています。一般的に、コーギーの尻尾は生後2~5日の間に切断されることが多いです。この時期に選ばれる理由は、痛みを感じにくいとされるためです。
また、この時期の子犬はまだ麻酔を使用するには小さすぎるため、麻酔なしで行われることが一般的です。ただし、生後8日以降に断尾を行う場合は、全身麻酔を使用して行われます。
断尾の方法には主に二つのタイプがあります。一つは獣医師がメスなどの外科的手法を用いて尻尾を切り落とす「切断法」です。もう一つは、ゴムバンドで尻尾をきつく縛り、血流を止めて壊死させる「結紮法」ですが、日本では主に切断法が用いられています。
断尾には痛みとリスクが伴います。手術による傷口からの感染症のリスクや、尻尾を使った感情表現ができなくなることなどが挙げられます。特に、尻尾は犬にとって重要なコミュニケーションツールの一つであり、その欠如は犬の社会的な相互作用に影響を与える可能性があります。
尻尾ありコーギーの存在について
断尾の習慣は国や地域によって異なり、特に原産国であるイギリスでは動物福祉の観点から断尾を禁止する法律が施行されています。一方、アメリカでは断尾が禁止されていないため、地域によってコーギーの尻尾の状態は大きく異なります。
日本においては、断尾は任意とされており、ブリーダーや飼い主の判断に委ねられています。そのため、尻尾を切ることに抵抗を感じる人も多く、尻尾をそのままにしておく選択をするブリーダーや飼い主が増えています。また、ウェルシュ・コーギー・ペンブロークとウェルシュ・コーギー・カーディガンの違いも影響しています。
ペンブロークは、スタンダードで尻尾の長さが規定されていますが、カーディガンにはそのような規定がないため、断尾されていない個体がほとんどです。
スタンダードでは被毛や毛色、サイズなどなど各犬種理想的な基準が細かく決められているのですが、コーギーのしっぽについては、「断尾または5.1㎝まで」となっています。
尻尾ありのコーギーのお迎え方法
先日、コーギーのオフ会でブリーダーさんとお話ししたのですが、最近は、業界全体で断尾しない方向に進んでいるそうです。実際、そのブリーダーの犬舎出身の若い子達は皆んな尻尾付きでした。
これからはブリーダーからお迎えする場合でも、ペットショップからお迎えする場合でも、尻尾付きの子に巡り合える可能性は非常に高くなるかと思います。
ブリーダーからお迎えする
一番おすすめの方法です。『みんなのブリーダー』など、ブリーダー直販のサイトでコーギーを見てみると、結構な確率で尻尾付きの子が飼い主募集されています。実際、今日(2023/12/07)も検索をかけてみたら数頭、尻尾付きの子が飼い主募集されていました。
また、別に気になるブリーダーさんや、特定の犬舎からお迎えしたいと考えている場合には、その犬舎に連絡を取って「尻尾付きの子をお迎えしたいのですが」と相談してみるのも良いかもしれません。ブリーダーさん的にも、なるべく尻尾は切りたくないそうなので、尻尾ありで予約できる犬舎も多いと思われます。
ペットショップからお迎えする
今は、各ペットショップのホームページから全国のお店にいる子を調べることができます。そこから、コーギーを調べてみて、尻尾付きの子を探してみると良いかもしれません。現状だと、ペットショップにいる子は断尾された子が多い印象です。ペットショップからお迎えする場合には、非常に時間がかかるかもしれません。
一応、他店舗から、他店舗へ移動できますが、生体に大きなストレスをかけてしまう可能性があるので推奨はしません。基本的にはブリーダーからお迎えすることを強くおすすめします。
【まとめ】尻尾つきのコーギーをお迎えする方法を解説します!
かつては牧畜犬としての機能性や税金対策、さらには迷信に基づく理由で尻尾を切る習慣が一般的でしたが、現代ではその必要性が問われ、尻尾を残す選択が増えています。
尻尾付きのコーギーをお迎えする場合には、基本的にはブリーダーさんからのお迎えになるかと思います。ペットショップでも見つけることはできるかもしれないですが、現状は断尾された子が殆どで、尻尾ありの子は相当少ない状況かと思います。
また、様々な理由からペットショップよりもブリーダーさんからお迎えした方がメリットが大きいです。詳しくは『コーギーがペットショップにいない!』の記事で解説しているので良かったらご覧ください。
以上、この記事を通じて、コーギーの尻尾に関する歴史的背景と現代における変化を理解し、コーギーとの生活をより深く愛するきっかけとなれば幸いです。